長男のそろばん

晩ご飯の終わったあとから、直しやらなくちゃって、長男はかばんを広げ、そろばんをぱちぱちと始める。額に手を当て、首の左右に振り、肩の力を抜く。二桁と一桁のかけざんを始める。かけざん得意なんだよって、始める。お父さんはそろばん、どれくらいやったのって、聞かれたから、お父さんはそろばん出来ないから、すごいなぁ、かっこいいなぁって見てた。っていうと、あと三問で8級が終わるのって。二桁五口十字、七分で15問やるから、測っててって。でも、お風呂に入る時間だし、もう目を擦りながら眠そうだし、って。云っても、でもかけ算、簡単なんだよって。頭をぽりぽりしながら、ぱちりぱちりと、一年生の小さな指が珠をいくつもいくつも打っている。