幻みたい、嘘みたい、

「迎えに行って!」って妻から電話があって、長女を学校近くまで迎えにいくようお願いされたんだけど、丁度その時、田圃の中の真っ直ぐな農道をゆっくりと自転車で税理士の所へ向かっている最中だったんだ。一瞬躊躇したんだけど、ごめん、無理って答えて電話を切る。税理士と打ち合わせしての帰り道、糸の切れた凧みたいに、ゆるゆると自転車を漕いでいると、川面に白い飛行機が映っていた。その幻だからこその飛行機の姿。その視線の先、東の空には嘘みたいな昼の月。その美しさといったら、もうウキウキが止まらない。