やさしさを思う

カウンターに座りながら、奇妙なことだなと思っていると、うとうととしていたことに気付く。1300過ぎに入店しても客が席を埋めていた。ざわざわとしていたが、それでも空腹からくる倦怠に耐えきれずに体のほうから、沈黙の世界に分け入っていた。沈黙の記憶の密林の中、ありそうであり得ないさまに僅かにとまどう。お待たせしましたという一段と澄んだ層から流れる声に目を覚ますと、ハンバーグがやって来た。