物語の始まり

生まれながらに、大きな矛盾を抱えて落ちる。神話学者、ジョゼフキャンベルやら、ユングフロイトによらずとも、自らの心の奥からのとぐろを巻いた叫び声に耳を澄ませば、踏んづけても踏んづけて生き返り、耳を塞いでも聞こえてくる、とある得体の知れないモンスターのどす黒い喉元が見えてくる。父親殺しと欠落を補う旅。古来からある系譜にこれもなぞらえていいものか。うんぬん。