小沢健二

19年ぶりのシングル発売が、朝日新聞に意見広告のような体裁で、プロモーションされていた。小沢健二については三年前のテレビ出演時に記したものがある。写真の文章は三歳の息子(文中愚息と表す)と過ごす視点から、この国の特殊性や文化や歴史について語られている。そして歴史の連続性について熱心に語り、その流れの中にあることを尊ぶのような文章。平易な文章で読みやすく、視点も愉快で、内容もストンと腑に落ちる内容である。他方で表題にある「言葉は都市をかえてゆく」というテキストはダイレクトにこのモノローグ連作と称される文章からは読みとれない。「流動体について」(流動体とは時代を感じさせる!)の中で語られている言葉の類であるが、世界の情景を人間視点で、かたや「神秘的」では同じ情景をやや神様視点で!といったかんじ。ちなみにこの文章を読み終えるとジャケ写が見えてくるというストーリー的。