子ども会育成会宿泊研修キャンプ初日

「キャンプの目当ては何ですか?」と図らずも時間調整の為のその問いかけに、ふと思い出したのは『サイト地に残すのは感謝と足跡だけである』というスカウトの時に得た言葉だった。7月31日、翌8月1日は子等が通う地区の育成会のキャンプである。対象は高学年故長女等は不参加であるが、PTA本部役員という役柄、出席協力要請があり参加し協力することとなった。清和県民の森のロッジ村故、キャンプというよりは屋外研修にといったほうが適切かもしれない。それでも山深くに入り、集団生活をすると虫がうごめく。梅雨が明けた空は当日極めて不安定に揺れ、様々なスケジュールが削がれては補修された。屋外での昼食プログラムが消え、出発時間が遅らせ、現地に到着すると雨雲はそこを避けて流れていた。国道入り口からうなさかを上り下りしてロッジ村に到着する。班付担当の役なので夕食(カレーライス)作りを見守る。見守ることが役となる。決して手を出さないよう云われている。真夏のかまど前は地獄の蓋を開けたような熱気に満ち、火を絶やすまいと息を吹きかければ汗が出、酸素が欠乏している。子供達も汗を吹いている、水分補給を促す保護者面々。キャンプを通して水分補給に声を上げる保護者。必要以上、めんどい程である。カレーはほどよく上々に出来上がった。配慮協力意思疎通の不足で完成は最後になった我が班であったが、味は一番に仕上がったものと思える。おかわりについては今の子らしく遠慮する。カレー作りに2時間をかけ、食べ終わるのに15分。腹を満たすのは必要以上に時間と労働が掛かり、それを費消するのは一瞬である。この一見するとばかばかしい程の作業を人間は毎日行う。それを実体験するのは良い。そこはかとない気持ちが良い。さて問題は片付けである。お腹も満たされれば子供達は自由にしたがる。そこは片付けが終わってのこと。まず自らの食器を洗う。終われば鍋、飯ごう等。とある男の子が自分の食器を洗い終わり席に戻る。飯ごうがあるよ!と一言。聞こえないのかどこかに行ってしまう。別の子が来る。同じことを云えば、その子は飯ごうを持ち、炊事場へ向かう。先の子はぷらぷら。飯ごうを洗い終わった子が、別の飯ごうを再び洗い始める。先の子はまだプラプラしている。総じてこういうことは同時多発する。テーブルの上のものが片づいたが、テーブルは汚れている。テーブルの下にはゴミが落ちたままになっている。仕事作業はある。動く子は徹底して動くし、動かない子は動かない。総じてこういう子は往々にしている。「キャンプの目当ては何ですか?」と問われた子供達は「率先することです」とか「協力することです」とか確か云っていた気がする。人間の性質も環境も様々であるが高学年くらいでも埋められない程の差と乖離があると思える。キャンプファイヤーも肝試しもきっと思い出に残るだろうが、カレーの後かたづけが思い出に残る子もいないかもしれない。しかし研修キャンプの最も重要なプログラムはこの「後かたづけ」に違いないと思える。