
前日の夜も庭に出て空を眺めていた。少し雲がかかっていて明日はよく見えるかもしれないといって扉を閉めた。七夕の当日になったこの日は朝から良く晴れていてこれならば夜空のムコウ側まで見えてしまいそうな空だった。気温もグイグイと上がりその予感を十分に支えていた。1900からPTAの役員会があり高台の小学校の校舎の三階から町を望むと空は曇天模様で、そににあるはずの宙は厚い雲に遮られていた。そうそう、小学校の階段には七夕飾りが掲げられていた。英語帰りの長女に願いごとの話を振ると、内緒と当初は云いながらも、執拗に問えば、「ケンカのないクラスになりますように!」という。クラス荒れてるねぇとひとりごちながらも、その心奥のほうでは、個人のことではなくみんなのことを願うさまに、嫁にやるのはあまりに惜しすぎるなぁとほくそ笑んでみた。