レゴ

彼は「今年の誕生日はいつかな?」と言ってくる。彼は誕生日というものが分からない。年々で変わるものだと思っている。たから今年は6月がいいな!なんてことを云ってくる。それは一体どういうことなのかと考え込んでも仕方ない。しかし昨年から彼は誕生日にはレゴ欲しいといっていた。それをこちらも相当先のことなので安易にいいよ!なんて云ったことをなんとなくは覚えている。夏になって、今年の干支を忘れても、冬になって、学校のプールの味を忘れても、誕生日にレゴを買ってあげると約束したことは覚えている。今年になってもその思いは続いていて、ことある度に、忘れまいと、願うように、その言葉を私に向けてきていた。記憶は層になって、古いものは深く、新しいものは浅い所に収まっているとなんとなくイメージしている。しかし彼にとってレゴは全く別の所に入っているのではないかと思える。