
ゴルフは難しいスポーツで、或いはそれに反して社交的なツールでもある。だから人によっては、はじめたり辞めたりする。或いはIさんのように再びはじめるというケースもある。今回はそれで、Iさんは若い頃は県内の著名な私立高校でレスリングに励み、大学はカナダへ留学してその際世界チャンピオンになったという二の腕が小生のふともも程もある猛者の類のキャラの方で、といっても例の団体の先輩であらせられる方で、古くは小学生の頃にゴルフクラブを握っていたいうのだが、当時の周りの大人が口うるさく執拗にレッスンを施すものだから、船頭多くして船山に登るが如く、もはや訳がわからくなってしまって以降、トラウマというほどの深い傷ではないにしても遠ざけていた節があったという。つまりはそれほどの運動神経と環境のあった先輩というのがこの日の本筋である。普通の想像としてはこうだ。仮に再デビューだといっても20年ぶりの話である。当時はまだまだパーシモンだし、アイアンはダウンブローだし、テイラーメイドもなければキャロウエイだってない。松山だって遼君だって、まだまだクラブを握っていない頃の話である。幾時代も隔てられた昔の話である。だから、幾ら運動神経がよくても120。一度メンタルつぶれたら130140だって普通に可能性がある。この日の天候は雨。止むことのない雨にさらされた。良くないアイテムばかり揃いはじめたが、上がってみれば110なのである。それは気分が悪い訳がない。それならばと今度はいつだという話にもなろう。