ボンネットの蛙

跳躍力には自信があった。伸ばせば体長以上の長さの脚である。筋力を十分に詰め込んでいる。自重なぞ幾ばくもない。比すれば無に近い。疲れたことなんてこの方ありはしない。ただちっと飛ぶ方向を間違えたに過ぎない。眼は大きめだがあまりよく見えたものじゃぁない。そもそも頭の両側についているんだから、魚程度の視力しかない。だから、たまたま、下に3200ccの6気筒エンジンがあり、図らずもそれを得ることになってしまった。さて、どうしたものかと思いめぐらしたが、それほど大きな脳じゃぁない。頭もいいほうじゃぁない。答えなんてわかりゃぁしない。とりあえず自慢の脚で、跳んでみるか。眼をつぶって。