くりかえし

親心の表れか、シックスポケットの恩恵か、母親ネットワークの発達か、子供の洋服棚には溢れるばかりの洋服がところ狭しと詰め込まれている。体ひとつではとても全部を着ることなぞできそうもない。そこで、このくたびれたズボンとシャツは長男のモノである。何故にくたびれているかといえば、よく着るからである。そう同じモノを、何遍も、洗濯が終わったそのそばから、着始めるのである。子供にとっては棚にある何着ものシャツだって気に入らなければ、無いと同じことになる。子供は数パターン、恐らくは2、3パターンを繰り返し着用している。子供も案外窮屈な考えにある。長男にどうしてこの服が好きなのかと問えば「分かれているから」という。確かにそのようなデザインとなっている。彼の頭の中ではこれが一番ということである。まぁセンスが無いのは親も同じだから致し方在るまい。