
トイレットペーパーは世界の末端にありながらも、カオスという混沌を世界から拭う重要なミッションを与えられている。通常はシングルであった。シンプルイズベストというのは座右の銘であり処世術のコアであり道しるべでもある。単純に安価、とだけ思って貰っても差し支えない。ところが事件はある日に起こる。ダブル革命である。軋轢と圧政に不満を募らせた訳でもないが、エンボス加工が施された柔らかな肌さわりと僅かなフレーバーを携えて革命は成し遂げられた。民衆の圧倒的な支持を得たダブル政権であったが、三日天下の如く既に野に下っている。その顛末をうちのものに問えば、なんでも、いつものところで買い忘れて近くのスーパーで買い、再び買いそろえたのでもとに戻った。という実に衝撃的な事実であった。