長男は5歳である。幼稚園は年少である。お姉ちゃんが宿題をしている時にはひらがな、カタカナ、数字を書いている。「これはかんたん!」「これはちょっとむずかしい!」と段ボールの椅子で机に向かってはひとりごちている。その練習の様を見ては、如何におとなは無意識に文字や数字を書いているものかと再認識される。彼にとって難しいのは「8」である。始点と終点が同じ点であるが、その途中に輪を二つ、一筆書きで重ねなければならない。文字にすると複雑であるが、これを無意識にやっている脳というはそれはそれで大したものであるが、五歳児にとってはこれが一癖も二癖も8癖ある。無限大である。