何処からでも富士

ドラえもんのお腹にくっついた四次元ポケットから出てくる未来の道具等はとても便利である。あり得そうもないもの、ひょっとしたら可能かもと思うもの、色々だが、基本的には物理的技術的には不可能なものが多数を占める。そういった意味では人類に宿題は多い。例えばどこでもドアというものは、ほぼほぼ不可能のように思える。脈絡もなく不自然に存するドアのノブをひねれば行きたい所にゆける。どう考えてもこればかりは何年、何十年、何百年経っても、実現できそうもない。ただ、この日の朝。空気は冷たく澄んでいて、遙か遠くまで見渡せた。見渡せた。鴨川からも雪化粧纏う富士山の頭が見え、その更に上にはまんまるの月が迷子みたいに所在なさげに西の空に留まっている。この朝、遠くても良いさと、遠いほうが良いさと、悔し紛れ半分、詠嘆している。