バードストライク

君津から館山へ向かう道、富津館山道の下り車線を正午近くに走行していた。突然の轟音と衝撃が車内に起こる。フロントガラス上部に茶色の柔らかめの物体がひしゃげた様で押しつけられていたのが見えた刹那、それは上へ消えてゆき、追うようにバックミラーをのぞき込むと、中型の猛禽らしく鳥類が大きな放物線を描き、遙か後方の路面に叩き付けられた瞬間が見えた。一瞬のことである。事前もなく、事後もない。ただフロントガラスにはその衝突痕が残っており、白く残るのは恐らく衝撃の瞬間に体外に放出された糞である。事故も怪我もなく、無事であった。残念だが、鳥はそうではないだろう。鳥の衝突はバードストライクと呼ばれ、所謂「ハドソン川の奇跡」で飛行機がエンジン停止に陥ったもそれである。