31年前

長男長女のママ同志がお友達の方が妙なものを持ってきた。31年前、小学校の卒業文集である。先生になりたいと書いている。この文章のことは、よく覚えている。本当にそう思っていたのかは、半々で、悩みに悩んで1.祖父が先生であったこと、2.卒業文集なので下手なことは書けないぞという思いであったのを思い出す。更に、教室のどの当たりの席で書いていたのかも覚えている。祖父からは先生は大変な仕事なのでやるものではないと云われていたのも覚えているし、それでもなお、そのように書いたのは逆に言えば、自分の将来の職業に先生というものは絶対ないと感じていたからこそ、そう書いたのかもしれない、当時から真っ直ぐでない性格を表している。しかし、更に、それでもなお、思いの残滓(動機を残滓といっては失礼だが、)はあるようで、今も進んで、週二回は短い時間ながら教室の教壇に立ち、読み聞かせなぞ、しているのはひょっとして、どこかで、その職業への潜在的な憧憬なのかもしれない。この卒業文集の残酷なところは、表紙近くには当時PTA会長であった自分の父親の写真と卒業の祝辞が書かれていたことである。それは、それは、時間の経過を物語っているものであった。