スカイダック

これは理想と現実は違うという話である。長女はTVがどこからか情報を得たのだろう、「水に入るバスに乗りたい!」と一ヶ月ほど前から言っていた。調べれば各所で運行されているようで最寄りは亀戸、スカイツリーということのなので、それでは、いざ!乗船。5月の晴れた日、異形のビークルは亀戸の梅屋敷で出発の時を待っている。上半身はバス、下半身は船という、異形のビークルは、ギリシャ神話のケンタウルスのように、悲しげだ。細部を観察すれば、船なのに車輌用のナンバーが付いている。車なのに窓ガラスが無い。と、とにかく異形ぶりが突き抜けている。乗り心地は‥‥。水没するバネ下に通常のサスペンションなど使用できるはずがない。ブレーキだって水没するんだもの、ほんと効くの?と不安になる。考えれば不思議だが、エンジンがタイヤとスクリューに直結しているはずで、クラッチがふたつ必要なはずである。ハンドルは前輪と操舵両方にに直結してる?思いつきは、陸でも水でも走れれば合理的なのではないか?という単純なものだろうが、越えなければならないハードルは相当なもので、相当な努力と労力で越えて完成したビークルは、さほどの合理性もなく、現実的は観光用に留まり、実用性は低い。耐水や車輌運行上の過度なメンテナンスに悩まされ、見目形も格好いいとはほど遠い異形になり果てている。思えば思うほど悲しい。理想と現実を力任せにくっつけた。そういう印象がぬぐえない。更に、水上でのその有志を拝むことは乗船している当人からはできないことがわかったのは乗船後のことである。でも、こいつ、嫌いになれないな。