ダブルレインボー

長女をスタンツに迎えに行く途中、北東の空に虹の足が見えた。同乗していた長男は「どんどんのぼるかな?」そんなことあるだろうか?と訝るやいなや、虹は上方へ駆け上がり、みるみるうちに完璧な弧を空に描ききる。車を停めて空を見上げる。あろうことか、「ダブルレインボー」。二本の虹色の弧が空を駆け、壮大なスケール感が何かを突き破って現れ出た。長男はやった!やった!と近所迷惑を顧みず歓声と雄叫びをあげる。こりゃ、すげぇや。と次の瞬間には、雨が、大粒の雨が、降り始める。傘なんてない。濡れる。濡れた。ずぶ濡れだ。長女を車に乗せ、家路を西へ向かう。路面は濡れ光を反射してる。眼鏡は雨滴を纏い、フロントガラスは雨に濡れ、その先、強くオレンジ色に輝く球体から、グラスとガラスと水のバイアスで屈折した光の束。やってくる。遙か西方に浄土が広がっていてもいいんじゃない?