朝靄

いたずらに海にドライアイスを流し込んだみたいに夢から覚めても夢みたいな朝靄が広がって視界を妨げている。いつもはまぶしい300m先のコンビニの看板の明かりも、うすぼんやりとしている。ハイビームの光が霧の中で乱反射して行き場を失う。湿った空気はどんよりと重く、風もなく流れゆく先はない。底で身じろぎもせずじっと目を凝らしている得たいのしれない生物の気配がしないでもない。全部が止まっているように思っても仕方がない気がした靄の朝である。600にじじばばへ。700に長女を送り事務所へ。800に読み聞かせ「じゅっぴきでござる」だじゃれをいいながらさるを数える。「かいこいさかなはかんがえた」最初に陸に上がったさかなのはなし。進化論、ということになるのだけど、絵が愛らしくポップでカラフルで細かいのがいい。900に打ち合わせ。1000銀行で振り込み。郵便局で郵送。事務所で作業。昼は内食。クリームのパスタを茹でてもらった。ミカンを食べると口の中で果汁が散っているのが分かる。1300調査。山道を歩くと何処からか一人の老婆に出くわす。聞けば近くの店まで買いものだという。バスもなく、ことあるたびに歩いて店までゆき、店の配達と時間が合えば帰りは乗せてもらうのだと。丁度帰り道おなじ方向なのでお店まで車で送ることになった。老婆は雨になると犬が怖がるからうちにいれてやるのだとか、さかりが付いた鹿は夜泣くと薄気味悪いとか、と話していた。夕方まで事務所で作業して帰宅した。夕ご飯はハンバーグ、白菜とシメジとベーコンの炒め物、カボチャのスープ、常備菜とかとか。長女は立体図を模写する勉強に「できない」ともんぞりうちながら、半泣きになりながらがんばっていた。