広島市北部大規模土砂災害

広島市北部の安佐北区、安佐南区で20日未明から降り続いた豪雨により同時多発的に大規模な土砂流が発生して甚大なる被害を与え数多くの尊い命も奪われた。亡くなられた方のご冥福をお祈りし、被害にあわれた方々にお見舞い申し上げます。原因究明は行われるべきであるがここでは「土砂災害防止法」について述べる。「土砂災害防止法」では土砂災害の発生する虞れのある地域を「土砂災害特別警戒区域」等に指定することで危険の周知、警戒避難体制の整備、住宅等の新規立地の抑制、既存住宅の移転促進等を行うものである。平成12年に施行されている。今回、約1kmの範囲で約6箇所の土石流が発生した安佐南区八木。記写真を見ると、現在は当該指定は「未指定」の状態である。他方下図の通り、「土石流危険区域」には指定されている。ただこれは危険周知を主目的としているため、減災にはつながりにくい。「未指定」の意味は指定の事務作業に時間と労力がかなりかかる為、という極めて現実的なもの。全国の指定も40%未満である。もし、これが指定されていたら被害がなかった、というつもりはない。ただ被害軽減の一助になっていたであろうとは推測される。広島市では被害対処のみならず、今後、この区域指定も優先事項として取り組まざるを得ない状況になるだろう。一方で当該区域に指定されれば、当該地域の地価を押し下げ、行政が個人の資産価値を下げると言われている。難しい問題であるが、あのような悲劇を目の前にすれば躊躇している暇はあるまい。広島市はまた、地価バランスの再検討が必要になってくると思われる。現場で実務を行う人々に苦労は絶えないであろうが、がんばってもらいたい。